アパレルSPA企業からOEM企業へ転職を希望する人へ、知っておいてほしいポイント。
アパレル・ファッション業界の転職では、OEM企業からOEM企業、SPA企業からSPA企業へ移籍することが多く、その垣根を超えての転職は一般的ではありません。
目に見えないハードルのようなものがあると考えてください。
これは実務経験があまり役立たないことからできています。
今回は、その垣根を超えてアパレルSPA企業からOEM企業へ転職を希望する人に役立つポイントをお話します。
アパレルSPAからOEM企業への転職を成功させるポイントは、視野の広さを持ち自己管理ができる人間かどうか。
まず最初にお話するのは、どんな人がSPA企業からOEM企業への転職を成功させやすいかとお話します。
ポイントは2つあります。
視野の広さ、そして自己管理能力です。
SPA企業での経験が足かせになる可能性もある。求められるのは視野の広さ。
OEM企業は、アパレルSPA企業に比べて社員数が非常に少ないです。
5人、10人という企業も珍しくありません。
必然的に各個人の業務範囲を広がる上、少ない社員で協力することが求められます。
ときには美品の発注であったり掃除であったり、直接業務に関係のないようなこともしなければなりません。
そんなときに狭い視野しか持っていないと、円滑に協力して業務を進めることができません。
OEM企業は、自分のペースで仕事を進めやすいことが多い。自己管理できる能力が必須。
アパレルOEM企業は、自社運営の店舗を持たず、最終消費者と関わる機会は基本的にありません。
関わる人が少ない分、自分のペースで仕事を進めやすいことがメリットとも言えます。
もちろん取引先であるアパレルSPA企業の展示会スケジュール等に合わせてサンプルを作ったり、イベントに間に合うよう量産納期設定があったりはしますが、営業や生産も兼ねている場合は自分の裁量で納期や仕事量の調整ができます。
その分営業成績も自分次第になるので、無理のない範囲で成果を出せるような自己管理能力が求められます。
アパレルOEM企業と、アパレルSPA企業の違い①「製造に近いか、販売に近いか。」
次に、アパレルOEM企業とアパレルSPA企業の違いについてお話します。
最初にお伝えしたい違いは、企業の「立ち位置」です。
アパレルOEM企業は製造に近く、SPA企業は販売の現場に近い存在です。
OEM企業は、SPA企業に比べてものづくりの現場に近い。
OEMとは「相手先ブランドによる生産」という意味です。
「生産」という言葉が入っているように、洋服のものづくりの現場に近い存在です。
規模が小さいため、自社工場は所有していませんが、国内海外問わず縫製工場と直接取り引きをします。
海外生産をしている企業では、貿易業務も自ら行っているOEM企業も多く存在します。
SPA企業は、商品を着用するお客様より近い。
たいしてアパレルSPA企業は、販売の現場に近い存在です。
「製造小売業」と呼ばれるように、自社の店舗を運営して、小売の現場に深く関わっています。
「製造」とはありますが、ÒEM企業や繊維商社に商品の生産を発注しているケースが多く、ものづくりの現場に直接関わることは少ないのが一般的です。
アパレルOEM企業と、アパレルSPA企業の違い②「一般的な労働環境と企業規模」
2番めの違いは、企業の規模や労働環境が違いです。
アパレルOEM企業はほぼ全てが中小企業で業務範囲が広い。社員数が10人以下も当たり前。
先程少しお話しましたが、アパレルOEM企業は規模の小さな中小企業がほぼ全てで、10人以上社員を抱えている企業のほうが少数派です。その分、業務範囲は多岐にわたります。経理、営業、企画、生産まですべてを一人でこなすということも珍しくありません。
SPA企業で専門性を磨いてきた人が、ものづくりの全体を見て仕事できるようになりたい場合は、OEMで頑張るのは経験として大きくプラスになります。
アパレルSPA企業は中小〜大手まで規模が多様。基本的に分業制。
対してアパレルSPA企業は、他店舗・他ブランド展開している企業が多く、必然的に規模や人員数も大きくなります。
業務範囲は狭く、細かく別れた部署の通り各社員の業務範囲も狭くなります。
分業制の意識が高い分、商品の企画から販売までをすべて自分の手で行うことはできません。
最後に。アパレルSPA→OEM企業への転職はあまりおすすめできません。
今回は、アパレルSPA企業からOEM企業への転職を希望している人に向けて、いくつかのポイントをお話しました。
アパレルSPA企業で長く勤めた人がOEM企業へ転職するのは、個人的にあまりおすすめできません。
労働環境の大きな違い(OEM企業は特に長時間労働の職場が多い)から、SPA企業での働き方に拘る人では長く続けられない可能性があるからです。
しかし、ものづくりの現場に直接携わりたいという人、ものづくりの流れを体験して自分でビジネスを始めたいという人にはおすすめできます。