【職種別転職ポイント】アパレル生産管理の労働条件からオススメの企業の特徴まで。
アパレル・ファッション業界での転職は、職種によって様々な活動のポイントが異なります。
これまでに、求人情報から読み解くポイントや企業の見分け方についてお話してきましたが、職種を考えるとさらに深堀りしたアドバイスが転職活動を成功させるために必要となります。
今回は、アパレル生産管理に絞って、労働条件からおすすめできる企業のポイントをお話していきます。
アパレル生産管理の基本的な労働条件
まず最初に、一般的なアパレル生産管理の労働条件についてお話します。
生産管理の雇用形態は社員が一般的。一部業務委託契約も存在する。
アパレル生産管理の一般的な雇用形態は、正社員もしくは契約社員です。
アパレル企業の商品作りを担う職種のため、短期のアルバイトとしての求人は基本的にありません。
商社や大手では、業務委託契約としてベテラン生産管理や元社員を雇うこともあります。
生産管理の場合、面接から業務スキルを読み取ることが難しい職種です。
そのため最初は契約社員契約からスタートして、問題がなければ正社員登用という流れを取る企業が多くなっています。
勤務日数は基本的に完全週休2日制。企業によっては土曜日出勤の場合もある。
アパレル生産管理の勤務日数は、完全週休2日制の1ヶ月あたり20〜22日勤務が一般的となっています。
これは製造現場である縫製工場や商社・OEM企業の休日とも共通しています。
縫製工場は土曜日も営業していることがあるので、自社店舗を持ち、工場と直接取引をしているSPA企業の中には、土曜日を出勤日として代わりに平日のどこかを休日に充てるという制度をとっている会社もまれに存在します。
生産管理の1日の休憩時間は基本的に60分間。
アパレル生産管理の一般的な1日の休憩時間は昼休みの60分間です。
加えてデスクワークが中心の業務となるため、オフィスで適宜小休憩を取ることが可能です。
勤務場所は本社勤務が基本。在宅勤務には向かない。
アパレル生産管理の勤務場所は基本的に勤め先企業の本社事務所になります。
企画や営業と協力して同じオフィスで仕事をするため、基本的に転勤はありません。
近年様々な企業が取り入れている在宅勤務ですが、アパレル生産管理の場合サンプルのチェックや附属の出荷業務も行うことが多いので、在宅勤務にはあまり向いていない職種です。
アパレル生産管理の転職で大事なポイント
次に、アパレル生産管理として転職するにあたって気をつけておきたい大事なポイントをお話します。
生産地が日本生産か海外生産か注意する。
応募先企業の商品がどこで生産されているか、これは生産管理経験者の転職で非常に重要なポイントです。
SPA企業の生産管理経験を活かして転職する場合、これまで取引してきた縫製工場やOEM企業との関係を続けられるか、引き続き新しい職場でも取引が可能なのか。
生産管理経験者を募集している企業側も、応募者が持っている生産背景のコネクションは選考にあたって知っておきたいポイントです。
応募先企業がどこでものづくりをしているか、これを面接で自分から確認しておくと在職中企業での働き方も変わってきます。
製造現場と直接取引か、間接取引か。
次に気をつけるポイントは、応募先企業が直接製造現場と取引があるか、という点です。
アパレルSPA企業に絞ってお話すると、直接製造現場や生地・附属屋と取引をせず、商社・OEM企業から製品を仕入れるだけのブランドも実際に存在します。
そういったブランドの生産管理の役割は、簡単な納期の管理と製品代金の管理程度となります。
誰にでもできる、とまでは行かずとも難しい仕事とは言えない、単なる窓口となってしまいます。
製造現場と直接品質や納期、原価のやり取りを実務として行える環境こそが、生産管理として一人前になれるのだと考えます。
業務範囲は企業で異なる。
生産管理の業務範囲は企業により異なります。
いくつか例をあげると、下記のようなケースが考えられます。
- 縫製仕様書はパタンナーが作成し、生産管理は原材料の発注〜納期管理、原価管理を行う。
- 生地の選定は企画が行い、生産管理は仕様書の作成とサンプルの検品を行う。
- 生地の発注はMDが行い、生産管理は附属の発注から品質管理までを行う。
これらは、私が実際に見たり経験したケースです。
生産管理の業務範囲も、求人票の内容に書かれていない部分もある場合が多いので面接で必ず確認しましょう。
アパレル生産管理志望の人にオススメしたいのはこんな企業
次に、アパレル生産管理として転職を考えている人にオススメできる企業の特徴についてお話しします。
製造現場と直接取引がある環境。
先程転職のポイントとしてもお話しましたが、縫製工場や検品所、プレス屋というの製造に関わる現場と直接取引している企業がおすすめです。
原材料の発注や納期の折衝、原価の計算等で大変な面を有りますが、生産管理としての経験を一番積める環境です。
雇用形態は、なるべく正社員で試用期間ありを選ぶ。
雇用形態が正社員を前提としている企業は非常におすすめできます。
試用期間は当然どの企業にも存在します。仮に自分が思っていたのと違う、または入ってみたらブラック企業だったという場合に試用期間制度は職歴に傷をつけないという意味でも重要です。
契約社員雇用から正社員登用制度を活用するよりも、安心して長く働くことができる正社員採用を生産管理職でおこなっている企業は本当にオススメできます。
キャリアの浅い人は、ものづくり全体を広く経験積める環境が良い。
今生産管理としての転職を考えているが経験が浅いと考えている人は、ものづくり全般を学べる企業がおすすめです。
労働時間等の環境が良いかどうかは少し心配ですが、OEM企業はSPA企業よりも製造現場に近く、分業制ではなく業務範囲が広い事が多いので、生産管理経験を積みたい人にとっては良い環境となる可能性は高いです。
キャリアの長い人は、専門性を追求できるか、マネジメント職を狙える環境か。
長くキャリアを積んでいる生産管理の人が転職をするならば、より専門性を活かして活躍できる企業か、マネジメント職を狙える企業がおすすめです。
企業規模が小さいと、どうしても管理職と入ってもプレイヤー要素が大きくなります。
マネージャーとしてチームや部署をまとめてより大きな成果を出したいのであれば、企業規模は大きくマネジメント職が存在している企業がオススメです。
最後に。あらためてポイント
今回はアパレル生産管理という職種に絞って、一般的な労働条件・環境から転職時のポイント、おすすめできる企業の特徴までお話しました。
転職活動は人生の転機になる可能性が高い出来事です。
迷ったときは自分だけで考え込まず、周囲の転職経験のある友人や膨大な実績データを持つ転職エージェントなどに相談してみましょう。